失禁 尿失禁 便失禁 尿モレ 体操 予防 治療 手術 パンツ ショーツ 腹圧性尿失禁 切迫性尿失禁

尿失禁の種類など

●切迫性尿失禁とは

 

切迫性尿失禁とは「せっぱくせいにょうしっきん」と読み、
尿意が切迫してから起こる尿失禁です。

 

概念としては、上位運動神経障害の一つで、
大脳の障害によっておこる無抑制性神経因性膀胱です。

 

病態としては、
尿道括約筋などを動かす中枢神経が障害された物です。
感覚神経は健在なので尿意は感じますが、
運動神経が障害されていて骨盤底筋群を意図的に動かせません。

 

原因は大脳の障害によるところが大きいです。
脳血管障害、パーキンソン病などの発病後の排泄中枢の障害などなど。

 

高齢者に多く、
症状としては尿意を感じるにも関わらず
意図的に制止出来ずに失禁を起こします。
治療方法は薬物療法として抗コリン薬を用います。
抗コリン薬は、
神経から筋肉への指令を抑えて不随意な収縮を抑える効果があります。

 

 

●腹圧性尿失禁とは

 

腹圧性尿失禁とは「ふくあつせいにょうしっきん」と読み、
腹圧をかけると起こる尿失禁です。

 

30台半ば以降の女性に多くみられますが
最近では、
10代や20代の若い女性でも珍しくありません。

 

出産や肥満による骨盤底筋群のゆるみで
発生することが原因といわれています。

 

くしゃみや笑ったとき、
重いものを持ち上げるときなど、
通常より力がかかったときに尿がもれます。
日常の排尿は自分の意志で出来ます。

 

骨盤底筋群を鍛えることにより、
予防や治療効果がありますので、
骨盤底筋群を鍛える体操が有効です。

 

 

●反射性尿失禁とは

 

反射性尿失禁とは、
「はんしゃせいにょうしっきん」と読み、
反射的に起こる尿失禁です。

 

上位神経障害の一つである、
脊髄(下行路、上行路)の障害によっておこります。
上位神経が障害されているため、
上位感覚神経障害により尿意が大脳まで伝わらず、
尿道括約筋などを動かすことが出来ません。。

 

症状としては、
尿意が大脳まで伝わらないので尿意は切迫しません。
膀胱からの感覚は脊髄反射を介して
膀胱括約筋などを刺激して反射的に尿をもらしてしまいます。

 

治療方法は、
薬物療法として抗コリン薬を用います。
抗コリン薬は神経から筋肉への指令を抑えて反射を抑える効果があります。

 

 

●大人のおねしょ(尿失禁・夜尿症)

 

一般的に言われるおねしょは、
子供のおねしょをさすことが多いようですが、
ここでは大人のおねしょについて解説します。

 

おねしょはまたの名を夜尿症といいます。
一般的には、病院で薬による治療が行われます。

 

しかし、
大人のおねしょは子供のおねしょと違って、
恥ずかしさからなかなか相談することができずに、
深刻化しやすい傾向にあるようです。
「おねしょで通院してるんだ」
なんて気軽にいえませんよね。

 

そして治したいにもかかわらず、
一人で抱え込み、どうしたらよいのか分からない・・など、
悩みは尽きないことと思います。

 

大人のおねしょが起こってしまう原因について知ることで、
改善への手がかりにして見ましょう。

 

一般的には以下のような原因が多いようです。
・お酒を泥酔状態になるまで飲み続けてしまったとき
・極度の緊張や継続的なストレスがたまってしまっている。
・疲労によって睡眠周期が狂い、深い眠りのときに尿意が最高潮に達してしまったとき。
・明らかに膀胱、腎臓、括約筋のいずれかに問題がある(病気のケースもあります)。

 

以上の様な原因に、
心当たりがある場合は、
それらを改善することによって、
大人のおねしょが静まるかもしれません。

 

 

●尿失禁体操(予防体操)

 

尿失禁の予防体操としては、
骨盤底筋訓練と呼ばれるものが一般的です。
この体操は、
腹圧性尿失禁による尿もれに有効といわれています。

 

腹圧性尿失禁は、
膀胱を支えている骨盤周りの筋肉が、
弱ってしまうことが原因で起こるといわれていますので、
この筋肉を鍛えてあげることにより、
尿もれの改善が見込めます。

 

また、
この体操の効果が現れるのは、
はじめてから2〜3ヶ月くらい続けてからですので、
すぐに対策が必要な場合は、
尿もれ様のショーツやパンツ、
あるいは生理用品によく似たパッド状のものが市販されていますので、
そちらを利用してもよいかもしれません。

 

 

●尿失禁の治療と手術

 

尿失禁の治療法としては、
投薬治療が一般的です。

 

βアドレナリン作用薬は、
気道を広げる喘息の薬として使われているものですが、
膀胱の収縮を抑えて尿道をしめて尿が漏れるのを防ぐ効果もあります。

 

抗コリン薬は、
本来は切迫性尿失禁の治療薬なのですが、
膀胱の収縮を抑えてモレを減らす効果がありますので、
腹圧性尿失禁の治療にも使用されます。
骨盤底筋体操との併用が有効といわれています。

 

また、手術についてですが、
現在は尿道の形を理想的な状態に戻す手術など、
技術が進んで昔より簡単に行えるようになってきました。

 

コラーゲン注入法という手術があります。
これは腹圧性尿失禁の手術で、
コラーゲンを尿道周辺に注入して、
膨らませることにより尿道が狭くなり尿モレを防ぐ効果があります。

 

TVT手術という手術があります。
TVT手術は、今までの手術に比べて非常に簡単な
方法でできる上に身体への負担も少ない手術です。
そのためメディアなどに取り上げられ希望する人が増えているといいます。
専用のテープを尿道にかけて尿道を支えることにより、
尿モレを防ぐ効果があります。

 

しかし、
簡単とはいえ手術であることに変わりはありませんので、
きちんと主治医の先生の話を聞いて、
納得した上で行ってくださいね。